2010年5月30日日曜日


落語の名作  「芝浜」

*三遊亭円楽  *立川談志  などの語り

 腕は良いが酒におぼれ、まったく仕事をしない魚屋の

   熊五郎・・・そんな亭主に業を煮やした女房が早朝無理やり叩き起して、芝の魚市場に魚の仕入れに向かわせる

 ・・・渋々出かけて見たが時間が早すぎたので魚市場はまだ開いていない「女房のやろう時間を間違えやがったな」

   と文句を言いながらも、久々に早起きして見る明け方の浜の美しさに感銘する

 魚市場が開くまではと、熊五郎が浜で一服していると、浜辺に流れ着いた汚い皮財府を見つける、その財府を拾い上げ中身を確かめると中には大量の小粒金が入っている・・・あわてて長屋に帰り女房に、財府をみせつけ

   「もうこれで当分遊んで暮らせる」と仲間を呼び出し浴びるほど酒を飲み、また寝入ってしまった

 翌朝二日酔いで起きた亭主に女房が「昨晩の酒代のあ払いはどうするんだい」とカンカンに怒っている、亭主は拾った財府の金で払えと言うが・・・女房はそんなものは

   知らないし見たこともないと呆れ顔 「そんなことはない」 

   と女房を問いただし、家中を探すが財府は出てこない

 呆然自失しながら

   「あれは夢だったか」と財府の金を諦める、そして今までの行いを悔い改めて・・・女房に酒を断ち、仕事に精を出すことを誓う

   もともと確かな腕の魚屋の熊五郎、懸命に働き出せば

   得意も戻り、以前にも増して客も増えてゆく、無心に働いた結果 2年後には棒手振り(天秤行商)から表通りへ小さな店を1軒構えた

   3年目には若い衆も2,3人置くようになった

 3年後の大晦日の晩、今年の仕事を全部終え、風呂から上がってきた後女房と二人でしみじみと今までの苦労を語りあう

* 急に女房が真顔になり「お前さんに隠し事がある」

と亭主はどうせへそくろか何かの事だろうと思いなかなか

とり合わない・・・すると女房は汚い財府を取り出し中身を

広げる、小粒金で50両ちかくある

♑ 最初はこの大金に皆目見当がつかなかった亭主だが

   3年前の事を思い出し、芝の浜で拾った財府が夢では

   なく本当だったことを隠していた女房をに怒りが湧き上が   

   る

   *ここで嘘の訳を涙ながらに説明する、あの3年前拾っ  

   た金は・・・拾った金とはいえ自分達の懐にいれていい

ものかどうか悩んだ挙句、お前さんが酔っ払って寝てい   

る隙に大家さんに相談に行った

 大家いわく、お横領したことがお上(役人)の耳に入れば

   死罪になりかねない、亭主を助けるには財府を役所に

   届け、財府を拾った夢でもみたんだろうと白を切った

   そして月日がたち 落とし主が現れなかったので役所から

   拾った財府がそのまま戻って来たのだと・・・

   しかし、財府が戻ってきたとはいえ、さっかく酒を断ち仕事   

   に打つ込んでいるお前様に戻ってきた大金を見せると

   また仕事をしなくなり、酒に浸ってしまうんではないかと心配で怖くて言いだせなかったと涙ながらに詫びて言うと

   この事実を語られ、亭主の熊五郎は

   怒りを納め、嘘をつかれたちは言え自分を立ち直らせてくれた妻に感謝をのべる

  妻は3年間一心不乱に仕事に打ち込んできた亭主を

    労い「久し振りに、一杯どう」と酒を勧める、はじめは拒んでいたが「もう、あんたは大丈夫」としきりに勧められ

    うれしそうに盃を受け取り「一杯頂くとするか」とそそがれた盃を口に運ぶ

   亭主の熊五郎は急に改まって盃を置く

    妻は 「どうしたの?」

    ・・・「よそう、また夢になるといけねえ」

この 落ちのある落語は他にありません

   これが小唄の芝浜で唄われます

小唄    芝 浜

    芝浜の 磯に拾いし この皮財府

       夢と だまして3とせ 越し

     かけた苦労も 主のため

       あすは目出度き あらたまの

     春日 うらうら小判の光

       差し出されたる 百両ゆりも

     女房千両の うれし泣き


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